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河盛 隆造 先生
PRACTICAL ドクターコメント
わが国における大規模市販後調査PRACTICALにおいて
ピオグリタゾンの有効性と安全性が立証された
河盛 隆造 先生
順天堂大学医学部 内科学・代謝内分泌学 教授
日本人における2型糖尿病は欧米人と異なり、必ずしも肥満を合併せず、
また高インスリン血症を認めない患者が多い。日本人の糖尿病の発症には、
遺伝的素因を背景とする膵β細胞機能の低下が大きく関与し、インスリン分泌不全によるものが多いと言われている。
しかしピオグリタゾンは、非肥満例や空腹時のインスリン分泌量が少ない例など、
従来インスリン抵抗性改善薬が効かない例でも血糖値が低下することが大規模市販後調査であるPRACTICALで示され、
日本の糖尿病患者の多くに有用であることが明らかになった。インスリン分泌に負担をかけずにインスリン抵抗性を改善し、
良好な血糖応答を維持するピオグリタゾンの膵β細胞保護効果の臨床的意義は大きい
このようにインスリン抵抗性改善薬が糖尿病治療に大きく貢献すると期待される一方で、
当初インスリン抵抗性を改善するチアゾリジン誘導体は、肝臓に対する安全性が懸念されていた。
26,000例もの症例で5年間の長きにわたり実施されたPRACTICALの安全性試験において、
きわめて重篤な肝不全・劇症肝炎などの肝・胆道系の副作用は認められないという結果が発表され、
その懸念は払拭されつつある。しかしながら、肝機能障害合併例また、禁忌である心不全合併例や
心血管障害既往患者へのピオグリタゾンの使用は慎重な対応が必要である。
PRACTICALにおける有効性試験において最も注目すべきことは、ピオグリタゾンによりHbA1cの低下が
投与18ヵ月後までの長期間維持されている点である。従来の糖尿病治療薬では、薬物治療開始後数ヵ月は
血糖コントロールが保てたとしてもその後悪化傾向をたどるケースが多く、しかも急速な低血糖がおこる危険性があった。
また単独でも、どの薬剤と併用してもHbA1c低下作用が示された。さらにピオグリタゾンの血糖低下作用は
ゆっくりと長期持続することが確認されている。より厳格な血糖コントロール、長期の血糖コントロールを達成するために、
ピオグリタゾンの良好な血糖コントロールが、従来の治療ではみられない糖尿病の基礎治療薬としての新たな糖尿病治療戦略への福音となろう。